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007 造形精度についてNo.002

Bonjour フランスから3D プリンタ情報をお届け! Precision TEST No.001 を受け、再検証用の2回目のテストを行いました。 テスト環境 Condition 対象ワーク  Work Dimension 造形配置 Positioning 造形条件 Slice configuration テスト結果  Result 評価 Conclusion 1.テスト環境 Condition 2020 05 10 22℃ Same Machine & Resin 2.対象ワーク Work Dimension 前回Test No.001 と同じ ①20x20x20㎜ 立方体■ ②D20㎜x15㎜ 円柱● ③階段形状 5-10-15(Z Pitch 5㎜) 3.造形配置 Positioning ①に関して、今回はNOVA Makerが指示した自動配置により 15° 傾いた配置で行った。前回結果から、XとYの寸法に誤差があったため、同位置寸法にするための解決策になるかどうかの検証である。 4.造形条件 Slice configuration  【last Test B.L.=40s, E.T.=4s 】 今回はElegooの推奨条件で造形する <Recommendation of Elegoo> Bottom Layer 60s , Expose Time 8s 5.テスト結果  Result   Inspection 2020 05 12 【Last result】 ① ■ 立方体 X-1=20.02㎜ 【19.94 】 X-2=19.95㎜ 【19.87】 X-3=19.94㎜ 【19.87mm】 Gap  X1-【X1】=0.08 X2-【X2】=0.08 X3-【X3】=0.07 Y-1= 20.12 ㎜【20.06】 Y-2=20.01㎜【19.97】 Y-3=20.00㎜【19.97】 Gap Y1-【Y1】=0.06 Y2-【Y2】=0.04 Y3-【Y3】=0.03 Z=19.70㎜ 【19.715】 ② ● 円柱 Dx-1=19.99㎜【 19.92 】 Dx-2

NOVA 3D Elfin 02 加工編

Bonjour フランスから3D プリンタ情報をお届け!

01準備編」につづき、今回は

「02.加工編」

として初造形の様子と機器の操作についてお伝えします。

  1. 加工のしくみ(LCDタイプ)
  2. 機器の準備事項
  3. 材料
  4. プログラム
  5. 実加工開始
  6. 加工後 ワーク取り外し
  7. 洗浄
  8. 乾燥


 1.加工しくみ(LCDタイプ)


紫外線 テスト照射時の様子



LCDタイプの造形の仕組みです。
VAT内の底面クリヤフィルム上(レジン最下面)で下面液晶からの紫外線照射により、PF(プラットフォーム)との隙間で液体プラスティックの硬化が行われます。硬化後にPFが一度上昇、そして降下、前回レベルより、指定ピッチ分(0.025〜0.05㎜)上がったところで止まり、またそこで前回硬化したプラスティックとシートの隙間で照射、硬化が行われます。
照射硬化後の上昇時にVATのクリヤフィルムへ硬化したプラスティックが張り付いています。これを毎回PFの上昇によって剥がしながら積層を行うという仕組みです。なので上昇時に「ベリっ」と剥がれる音がします。


レジンは紫外線で硬化するので、加工場所は直射日光の当たらないところを選択して下さい。カバーがオレンジ色なのは、紫外線からの保護のためです。
また寒いところでは樹脂の硬化がしにくいので、冬場は暖房が効いた部屋が有効です。しかしレジンは「臭い」が強いため、換気も必要です。以上を考慮して加工場所を決定して下さい。水洗いレジンの場合は多少の「臭い」はあるものの、IPAも使わないので、生活スペースでも加工可能です。

2.機器の準備事項

梱包を解いたら、電源をいれ、PF(ヘッド)のZ値を上昇させます。初期状態ではPFと液晶の間に保護シートが付いているのでこれを外すためです。


初期画面/Control→Platform Lift →上向き矢印の中から「50mm」 「10mm」 「1mm」 「0.05mm」を選択できます。上昇に関してはリミッターなどが無いようで、上げすぎるとZ最上部へぶつかる可能性があります。
初期画面 Fileを選択
Controleを選択、上記画面になります
⚠︎いったん50mm上昇を押してから、途中で下降操作を行っても取り消しが出来ないのでボタンを押す前はZ値を十分に確認して下さい。50mmを押しすぎないよう注意下さい。

PF(プラットフォーム)のキャリブレーションは出荷時に済んでいるので、特に触りません。PFの固定ビスは「A」1カ所のみです。しっかり固定されているか確認しましょう。
機構的に、造形中はここへ力が掛かります。固定ネジは緩まないようにして下さい。
AがPF固定ネジ、B方向へ取り外します

VATおよびSLA液晶面に付いている保護シートを剥がします。


VAT本体 底面クリヤフィルム上に保護シートあり

両サイドの丸いボールがVATの固定用レバーです

VATの取り外しは両サイドのつまみで行います。
LCD液晶上とVATフィルム面のホコリを除去してください。マスキングテープがあるとペタペタ除去できて便利です。

レジン排出用の口が1カ所有ります
向かって左奥ポジションの向きにてVATを設置して下さい

3.材料 (レジン)

VAT設置後にレジン投入です。開封前にボトルはよく振って下さい。
⚠︎加工開始時にはPFがVAT内へ全面沈み込むので、注ぎすぎるとお風呂のようにあふれてしまいます。注ぎ量は深さの半分以下に留めておいて下さい。
PFを加工開始位置まで下げた状態でレジンを注げば最大量付近まで入れることが可能です。
万が一、機上でVATからこぼれると下面の液晶を痛めます。

4.プログラム

既存のUSBまたは本体メモリーにサンプルプログラムが二つ入っています。

加工条件も設定されたプログラムが入っているので最初の加工はこちらをオススメします。プログラムソフトが準備されていなくても即加工が開始できます。

独自のデータを造形する場合は、スライス(プログラム)ソフト「NOVA Maker」をダウンロード後、加工条件を設定してマシン運転プログラムを作らなければなりません。こちらの操作については別途記事にて配信します。



5.実加工開始

メモリー、またはUSBから加工データを選択して、加工開始ボタンを押すだけで加工が開始されます。工作機械のような原点復帰や慣らし運転は必要ありません。

・PCから運転の場合
PCを使用する場合は、機械本体がWi-Fiネットワークへ接続する必要があるので、接続操作を行って下さい。
「初期画面/Setting→Network Setting→所定のWifiネットワークを選択、接続コード入力→Connect」で完了です

パソコンはあらかじめインストールしたNOVA Maker を立ち上げて、同じWifiネットワークに接続すると、機械と接続となります。
もし接続できない場合は、左のボタンで目的の機器をネットワーク上で検索できます。


③加工開始ボタンを押すと加工監視画面へ切り替わり、総レイヤー数、総加工時間、進行状況、照射形状が確認出来る。


・USBメモリーまたは内部メモリーから直接運転の場合
タッチパネル 初期画面/File→「Local File」または「USB File」を選択、サンプルデータはLocal File内にあります。目的のFileを選択、「▶」ボタンを押すと加工開始となります。




加工開始操作後は、PFがどこにいても加工開始位置まで自動的に降下、そこから加工がはじまります。
⚠︎加工に関しては自分の経験を元に説明するものであり、安全を保証するものではありません。十分に注意の上、取説を確認の上、加工開始して下さい。



6.加工後 ワーク取り外し

サンプル品ですと、NOVAサンプルが4.5時間ほど、octopusが2時間ほどだったと思います。終了後は自動的にPFが上昇して加工完了となります。とくにブザーやアラートはありません。
つぎにワークの取り外しですが、造形ワークはPF下面にぶら下がっている状態です。加工完了直後はレジンがまだ多く付着してるので、PF取り外し時にはレジンがタレないように配慮下さい。自分はペンキ塗装用のプラスティックの塗装受けを用意して、そのうえでPFを取り扱うことにしています。
加工後にPFを外したところ まだ液体が付着しています。ゴム手袋を忘れないように!

その後、洗浄するためにワークをPFから取り外すのですが、これがしっかりへばりついていてなかなか取れません。表面積が多いほど密着強度が強いので、外すのに苦労します。しかし、しっかり密着していないと造形中に造形物がPFから脱落する恐れもあるので、うまく取り外す方法を工夫しなければなりません。無理に剥がすとワークが壊れます。
ワークとPFの隙間にスクレーパーの刃が入り込むと簡単に剥がせますので、どうやって刃の先端をもぐりこませるかがポイントです。また形状や大きさによってスクレーパーの大きさや形を考慮しなければならないと思います。これはこのElfinに限ったことではないので情報収集しみてください。自分はまだ最適な解決策を見いだしていません。
※後記 取り外しのポイントはコチラで紹介しています。
油絵用のパレットナイフを試す予定です

7.洗浄

純正レジンの場合は、IPA(イソプロピルアルコール)で洗浄、水洗いレジンの場合は水道水で洗浄です。
ジャムのような口が広い瓶があると便利です。3つ用意して、荒洗浄→中洗浄→仕上げ洗浄と段階を追って洗浄精度を上げて下さい。フタをして”すすぐ”感じで振ると洗浄できます。使用後のIPAはフタをして保管、次回も使います。
※濁ったIPAは紫外線に当てると溶け込んだレジンの成分が固まるので、これを濾紙などで濾すことによって綺麗な状態に再生してまた利用することが出来ます。可燃性なので取扱注意です。

水洗いレジンの場合はそのまま水道で洗うか上記と同様の方法で洗浄します。水に中性洗剤を混ぜる方もいるようです。

精密部品や細かい隙間などのレジンを洗う場合は「超音波洗浄機」があると便利です。
自分もこれから使用予定ですが、まだ開封できていません。後日インプレをお届けします。家庭用の貴金属やメガネ洗浄タイプで1万円以内で購入可能です。→インプレはココ




8.乾燥 (二次硬化)

レジンは加工直後は一次硬化しただけなので、まだ本来の強度が出ていません。洗浄後に紫外線を浴びて二次加工を行います。つよい直射光を長時間浴びると割れや破損の可能性があるので注意が必要です。
水洗いレジンの場合も短時間での乾燥は推奨されていません。

二次乾燥の環境確保のために紫外線ランプを使用する方がいます。効率的に乾燥が進むようです。女性のマニキュアを乾燥させるランプがお手頃で使いやすいようです。自分はまだ試していません。




いかがだったでしょうか?
以上で、加工完了までの流れです。自分もまだ経験が浅いので、これからの経験を元に独自の技術ネタを発信していきます。

次回はメンテナンス編で、加工後の後片付け、メンテナンス情報をお届けします。




それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!

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