Bonjour フランスから3D プリンタ情報をお届け! Precision TEST No.001 を受け、再検証用の2回目のテストを行いました。 テスト環境 Condition 対象ワーク Work Dimension 造形配置 Positioning 造形条件 Slice configuration テスト結果 Result 評価 Conclusion 1.テスト環境 Condition 2020 05 10 22℃ Same Machine & Resin 2.対象ワーク Work Dimension 前回Test No.001 と同じ ①20x20x20㎜ 立方体■ ②D20㎜x15㎜ 円柱● ③階段形状 5-10-15(Z Pitch 5㎜) 3.造形配置 Positioning ①に関して、今回はNOVA Makerが指示した自動配置により 15° 傾いた配置で行った。前回結果から、XとYの寸法に誤差があったため、同位置寸法にするための解決策になるかどうかの検証である。 4.造形条件 Slice configuration 【last Test B.L.=40s, E.T.=4s 】 今回はElegooの推奨条件で造形する <Recommendation of Elegoo> Bottom Layer 60s , Expose Time 8s 5.テスト結果 Result Inspection 2020 05 12 【Last result】 ① ■ 立方体 X-1=20.02㎜ 【19.94 】 X-2=19.95㎜ 【19.87】 X-3=19.94㎜ 【19.87mm】 Gap X1-【X1】=0.08 X2-【X2】=0.08 X3-【X3】=0.07 Y-1= 20.12 ㎜【20.06】 Y-2=20.01㎜【19.97】 Y-3=20.00㎜【19.97】 Gap Y1-【Y1】=0.06 Y2-【Y2】=0.04 Y3-【Y3】=0.03 Z=19.70㎜ 【19.715】 ② ● 円柱 Dx-1=19.99㎜【 19.92 】 Dx-2
「町工場社長のフランス奮闘記」というブログを書いております。
家庭用3Dプリンタで、技術ネタを発信するブログを新たに立ち上げました。
初めての造形チャレンジです。
ゼロからの立ち上げなので、今回はまずはその過程とインプレッションを
- 準備編
- 加工編
- メンテナンス編
三部構成でお届けします。
今回は これから始める方向け、またはNOVA3D Elfinの情報、特徴を解説する
1.準備編
です。
- 機器
- Dimension
- 付属品
- 準備
- プログラム
- 機器の特徴
1.機器
AMAZONフランスで注文した造型機 中国メーカー「NOVA3D」の「Elfin」です。日本でも手に入ります。LCDタイプの機器はほぼ中国製となっています。2.Dimension
- 本体価格350€ レジンは含まれません
- 加工範囲 150×75×150 一般的なDLC家庭用機器のサイズです
- 最小積層ピッチ 0.025㎜(ソフト上では0.01mmとなっているため要確認)
似姿はこんな形で届きました。600×450×300ほどのパッケージ |
中身のメーカーのパッケージです。AMAZON箱が大きすぎて中がスカスカだったので、詰め物の中に鎮座していました。フランスは配送が雑なので梱包の仕方が不安でしたが、機器の不具合はありませんでした。
箱の中はこんな感じです |
本体 上部プラットフォーム 下部VAT 液体レジン入れ
見えないが、VATの下に液晶光源が設置される
3.付属品
- 取説(英語) Quick Operation Guide
- 交換用VATフィルム (フィルム、フィルム固定ガイド一体の物)
- 六角レンチとビス(基準レベルだし用のスペアと思われる)
- プラスティックスクレーパー (VAT内のごみ取りやプラットフォームの清掃用)→これで品物は外せないので、別途金属製スクレーパーが必要
- ニッパー(サポート除去用)
- ゴム手袋
- 電源コード
- USB(サンプルデータ二個入り)
- スプレーボトル(液晶面を清掃する時の物のようである)
- 紙の漏斗(使用後のレジンの濾過用)
4.準備
上記以外で初めに必要な物- パソコン スライサーソフト NOVA Maker のインストール、プログラミング、マシン運転用
- レジン 基本的にはNOVA3Dメーカー推奨品を使用する様に謳われています。
- 品物の取り外し用のスクレーパー プラットフォームはアルミのアルマイト処理がされており、処理面を傷つけないものを選びたい。皮すき用のスクレーパーは先端が暑いので、薄く加工するといいようだ。自分は油絵用のコテを用意した。5種類形状違いがあり、先端が0.3㎜程度の薄さである。先端が薄いと品物に潜り込ませやすい
- レジン洗浄用のIPA(イソプロピルアルコール) 可燃性なので取扱注意
- 洗浄用の瓶 「荒洗浄ー中洗浄ー仕上げ洗浄」の3種類を用意すると良い。フタつきの物で、ジャム瓶ような口の大きなタイプの瓶がオススメ。フタをしてゆすぐと洗浄できる。
- 洗浄品を取り出すピンセット、もしくは箸、トング類
- 濾紙または茶こし 使用後のVATに残ったレジンは再利用できるので、これを茶こしや専用濾紙で濾して、異物やプラスティックの塊が混入しない様にするための物
- レジン回収用の紙コップ 余ったレジンを茶こしでこしてココへ一旦入れる。元の瓶へ戻すための前段階のもの
- ティッシュ 清掃用
- キムワイプ 光学部の清掃用
- マスキングテープ VATや液晶画面のホコリ取り用
注文したレジン
メーカ推奨品がAMAZONで欠品だったため、他メーカー(Elegoo)の最近販売され始めた低アレルゲンの「水洗い 可能レジン」を注文しました。これがあれは水道水で洗えるので、洗浄用のIPA(イソプロピルアルコール)も不要です。他メーカーのものも下水に流せる対応品がほとんどだと思いますが、要確認。地域や国によって基準が違うのでそこも確認。
Elegoo製 500ml 30€ 一般のレジンと比較して若干高め
メーカ推奨品がAMAZONで欠品だったため、他メーカー(Elegoo)の最近販売され始めた低アレルゲンの「水洗い 可能レジン」を注文しました。これがあれは水道水で洗えるので、洗浄用のIPA(イソプロピルアルコール)も不要です。他メーカーのものも下水に流せる対応品がほとんどだと思いますが、要確認。地域や国によって基準が違うのでそこも確認。
Elegoo製 500ml 30€ 一般のレジンと比較して若干高め
5.プログラム
スライサーと呼ばれるプログラムソフト(NOVA Maker)をインストールしなければならない。このソフトで3Dモデルを元に加工条件を設定する。ソフト自体は操作は複雑ではないが、全て英語なので、この手のソフトを触る初心者は苦労するかもしれない。別途記事で解説します。主な設定内容
- 造形位置 向き(回転) 縮尺(スケール) コピー機能(複数モデル配置)
- サポートの取り付け
- 造形条件設定 光の照射時間、積層ピッチ
このソフトしか使用経験が無いが、Chituboxと比べると、サポートの取り付けの自由度が少ないようである。他メーカーの機種では別のソフトを使用できる場合も有るようだが、Elfinに限ってはこのソフトが必須となる。
※後述
- Youtubeでサポートの付け方のオプション機能が解説されている コチラ
- 他スライサーによるプログラムにも対応可能です。Wifiを使ったデータ転送、運転監視を行う場合はNOVAMakerが必要になります
6.機器の特徴
これから機器選定する方への基準になれば幸いです。NOVA3Dの印象ですが、この機種は後発メーカなので、既存メーカーの機種を研究して色々改善点があるので参考にしてもらいたいです1. WIFI接続が可能
全ての機種を調べたわけではないが、まだWIFI接続機種は多くはない。一般的にデータのやりとりはソフトからUSBメモリを使って機器へ転送するのが一般的のようであるが、Elfinはパソコン(プログラムソフト)から転送が可能である。実は転送コマンドは無く、プログラムを選定して加工開始操作を行うのであるが、この時点でデータが機器のメモリへ転送されている。なのでパソコンからの垂れ流し運転ではない。パソコンが停止しても、機械は動き続けられる。もちろんUSBでのデータ転送も可能。最初自分はプログラムデータの転送コマンドを探せなくてUSBを使っていたが、ほどなく別のページにその機能があることを知り、いまはすべてWIFI転送を使っている。
2. プラットフォームのキャリブレーション不要
光造形の基本構造としてプラットフォームに水平に転写するためにプラットフォームと液晶の水平が出ていないと造形不良を起こす原因となる(積層ピッチは0.05〜0.025㎜)。プラットフォームは各造形終了毎にマシン本体から取り外し、品物を引き剥がす作業が必要なため、プラットフォーム自体の取り付けの「繰り返し精度」が必要で、それが狂った場合には水平だし(キャリブレーション)が必要です。他機種はプラットフォーム自体にレベリングのための調整機能(簡単なボルト構造)があり、ヘッドを一番下まで下げて、固定ネジを緩めて水平をフリーにして、プラットフォームを液晶上に着地させます。そして液晶に座ったところで固定ボルトを締めます。Elfinの場合は繰り返し精度が良く出るようプラットフォーム自体に調整機能がありません。(取り付け取り外し時に狂わないように)そのかわり出荷時にキャリブレーションが行われているので開封後すぐ造形が行えます。ただしこのElfinの水平だし作業、機械屋目線で申し上げると、本体の固定部にある4カ所のベースネジを調整するのですが、調整加減が結構大変です。経験者なら感覚が掴めると思うのですが、初めて触る方は苦労するかもしれません。キャリブレーションに関してはまた記事にしたいと思います。
一般的にはネジ固定が多いのですがElfinは簡易なレバー固定です。これは便利であり、さらにVATに足があるため、机上に置いても直接下面のフィルムが触れないため、傷や汚れから守れます。取り外す機会の多いVATなのでこの機能とVATの形状(足)はありがたいです。個人的には◎!
両側につまみがあり、これを前後するだけでVATが固定される |
4.送りねじの両軸固定
一般的には片持ちの送りねじの支持方法なのですが、Elfinは両軸固定です。機器剛性、精度アップのためのものですが、効果のほどはまだ検証できていません。
5.おむすび型の機器本体形状
一般的には四角なので、最初抵抗はありましたが使用上は問題ありません。
メーカーのアピールポイントで12度の傾斜が使いやすいと謳われていますが、PCで操作が全てできてしまうので、特に目立ったメリットはありませんが、画面の見やすさは良いと思います。
次回 02加工編 でお会いしましょう。
それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!
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